確実におこりつつある「ワークシフト」

医薬品営業にみる「ワークシフト」の実際
93年に新卒で社会人になった私、当時とはだいぶ世の中変わっています。私の就職活動は、紺色のリクルートスーツで、学校推薦が基本の理系大学にいました。学校推薦で就職活動する人は、会社の説明会を受けたり、OB・OG訪問したり、親戚縁者に就職先を紹介してもらうのがパターンでした。そんな緩い就職活動をした結果、繊維系化学メーカーに就職が決まり、医療用具の申請書類づくりなどの業務に携わり、その後、医薬品営業の道へ移動することになりました。
医薬品の営業はMRと言いまして、病院の先生方に医薬品の情報を提供しにまいります。副作用はないか?、医薬品が適応になる疾患で先生は困っていないか?、使っていただける患者さんはいなか?などをお話しにいくわけですが、そんなことよりも、対抗メーカーの動きを観察し、市場の大きい病院に、「わが社の医薬品を採用してください」とお願いしてまわります。20年前はそのような営業スタイルが当たり前で、情報収集という名の元、先生方とお食事に行ったり、病院の親睦会のゴルフコンペに行ったり、自分の会社の持つゴルフ会員権を使って、取引を開始したい病院に接待ゴルフを企画したり、、、というような業務が、仕事の7割を占めていたと思います。
しかし、そんな時代も長くはつづきません。6年前から高額な飲食接待やゴルフ接待は業界でやめることとなり、夜のや土日の業務がとても少なくなりました。飲食接待がなくなったので、痩せて健康的になってきました。業界の情報提供も「他社の誹謗中傷はしない」「文献発表された情報でも、医師の質問に対応する形でないと、文献持参はしない」など、とてもきびしく情報提供活動が統制されてきました。
新薬発売時の商品紹介と、副作用情報の収集以外は、MRの仕事っていらないのでは?
とだんだんと思うようになってきました。
現に、日経新聞などでは「総MR数が3分の1減る」と記事がでました。また、人員削減する会社も沢山あります。AIといか、インターネットで情報検索することで、MRの仕事は駆逐されてきつつあります。
今後、医薬業界はどうするべきか?
では、MRであった私をふくめ、MRの皆さんは今後どうしたらいいのだろうか?と考えます。今後の高齢化社会、医薬品そのものは無くならないであろうと思うので、「会社にしがみつく」というのもできると思います。しかし、変化の時代、どうせなら大きく変わりたいものです。
考えとしては、
・介護など、明らかに人手の足りない仕事につく
・営業センスのある人は、別の業界の営業をする
のシフトチェンジが必要だと思います。MRという仕事も、以前のようなハードワークではなくなりつつあるので、自分の時間でWEBや経理など、別の仕事のスキルを身に付け、仕事やキャリアをシフトしていくことが必要と考えます。