ずる 嘘とごまかしの行動経済学

ダン・アリエリ著、行動経済学「ずる」

行動経済学って、2017年のノーベル経済学賞・リチャード・セーラー教授(シカゴ大学)によって、知られた方も多いはずです。行動経済学は、最近の経済学の学問のようです。私は理系なので、経済学は分野は違うかなと思っていたのですが、経済って社会生活している上では不可欠ですし、営業している行為そのものが経済活動です。行動経済学の本を読んでみると、日常生活のあれもこれもが経済学そのものです。

今回、読んだ本は、ダン・アリエリ著「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」です。自分の以前の職業・MR(製薬会社の営業マン)の話がでてきたので、「そうなんだよねー」と思いつつ、読みました。

ずる 嘘とごまかしの行動経済学

行動経済学から見たMR

世間一般的には、「製薬会社の営業って、なにしてるの?」と素朴な疑問を持たれることもあります。薬の最新情報ってインターネットでいくらでも落ちている時代になってきたら、なおさらです。半年前、日経新聞で「MRの数が三分の一減る」という記事がでましたが、だんだんと仕事の量が減ってきたな、、と感じる事もしばしばでした。

この本に書かれている内容は、10年くらい前の日本でも、当たり前のように行われていたMRの仕事が書かれています。でも、普通一般の営業も、似たりよったりではないのかな?と思います。営業って商品を売るというよりも、その人から買うということが、とても重要だったりします。保険や車も「いい営業マンだったから決めた」と聞いたことがあります。

MRの必要な状況とは?

MRの仕事って、基本は「適切な情報を、医療機関に提供する」ことが基本なので、副作用を主とした安全性情報の収集が最も大切な仕事だと思います。なので、新規の医薬品が発売するときには、とても必要だと思いますが、発売後数年たってくると、仕事そのものが少なくなってきます。企業もそれに合わせて、人を増やしたり、減らしたり、していますが、以前ほどは人数が必要なくなったのは当然です。

そして、働き方改革の波が来ました。今までは、「真面目に昼夜なく、働いていたのが良いこと・善いこと」だったのが、「短時間労働で早く帰ることが、良いこと」に変わってきました。真面目に働いても、身体を壊すようではダメ、時短で効率よく働くことの方が、良いことに変わりました。MRも10年前から、飲食ゴルフ接待が基本なくなり、仕事の様子もガラッと変わりました。MRだけでなく、全ての業界が変わりつつあります。変化に対応できるように、仕事をしていきたいです。